昨今､防災意識の高まりなどから､デザイン住宅や高級注文住宅を建てる際にRC造(鉄筋コンクリート造)を希望する人が増えています｡RC造による住宅は耐震性が高く､耐火性にも優れています｡また､RC造の特性上デザインの自由度が高く､高級感のあるモダンな住宅に仕上げることができるという魅力もあります｡

今回は､そんなRC造の特徴のほか､メリット､デメリットについてお伝えします｡高級注文住宅の建築を検討中の方は､ぜひ参考にしてください｡

RC造の特徴

RC造の｢RC｣は｢Reinforced Concrete｣の略で､鉄筋により強化されたコンクリートを指します｡このRCを用いて建物を造ること､およびその構造を｢RC造｣と言います｡

RC造は､住宅の骨組みに鉄筋とコンクリートの2つの材料を用います｡その2つの材料には､それぞれ以下のような特徴があります｡

鉄筋：引っ張ったり引き延ばそうとする力には強いが､熱に弱く錆びやすい
コンクリート：熱に強く､圧縮や衝撃にも強いが､引っ張る力に対し弱い

鉄筋をコンクリートで覆うことで､熱や錆から鉄筋を守り､また地震の横揺れなどで発生する｢引っ張る力｣に対しては､鉄筋で対応します｡こうして性質の違う2つの材料を組み合わせることにより､RC造は建築における様々なメリットを生み出すのです｡

RC造のメリット

RC造に使われるコンクリートは熱に強い材料です｡そのため､RC造は火事などの際にも火が広がりにくいという性能を備えています｡また､圧縮や衝撃､引っ張る力に対して強いので､地震などの揺れにも耐えうる造りであると言えます｡

さらに､素材の粒子の密度が高いコンクリートを使っていることや､壁､床､天井に隙間ができにくいことから､遮音性が高いのも特長です｡特に重低音を遮断する性能が高いので､楽器の演奏をする方やボールなどを使うトレーニングルームを持ちたいと考えている方､小さな子供のいる方などは､RC造住宅のメリットを感じやすいと言えるでしょう｡

また､RC造は構造上､柱の位置などといった制限がありません｡空間を遮るものがなく､各部屋の仕切りを自由に設置することができるので､デザイン的に自由度の高い建物を造ることができます｡

RC造のデメリット

RC造の住宅は､木造の住宅に比べ工期がかかります｡型枠に流し込んだコンクリートが既定の強度に固まるまで一定の期間を要するためです｡一般的に木造の住宅の工期が3ヶ月程度であるのに対し､RC造の住宅の工期は5ヶ月程度です｡

また､木造やコンクリート造の住宅に比べ､RC造はコストがかかります｡建物自体にかかる費用が高いほか､RC造の住宅は木造やコンクリート造の住宅より建物の重量があるため､地盤補強の必要が生じる場合があるためです｡

RC造の住宅の施工例

デザインの自由度が高いRC造の住宅は､木造やコンクリート造では実現が困難なデザインにも対応できる場合が多くあります｡一例ですが､RC造では下記のような施工が可能です｡

◆丸みのある壁面

滑らかなカーブを描く壁面の施工は､RC造の得意とする分野の1つです｡丸みのある壁面は､木造で施工した場合非常に高い技術力と時間を要します｡また､コンクリート造で施工した場合十分な強度を出すことが難しく､場合によっては実現できないこともあります｡

◆装飾としての柱の設置

木造の住宅の場合､柱は原則として天井を支えるためのものです｡そのため､設置の際には太さや形状に制限があります｡一方､RC造での施工はそうした｢機能のための柱｣に縛られず､デザインの一部として柱を設置することができるため､オブジェのような柱や空間を広く見せる華奢な柱などを空間に取り入れることができます｡

◆宙に浮かぶように設置された開放感のある階段

デザイン住宅において人気の高い､宙に浮かぶデザインの階段もRC造なら叶います｡鉄骨とコンクリートにより十分な強度を担保できるため､支柱を必要としないスタイリッシュな階段を設置することができます｡

◆象徴的な円形の大窓

近年注文住宅において､シンボリックな円形の窓の要望が大変増えています｡円形の窓自体は施工方法によらず造設可能ですが､大きなものとなると､壁の強度の関係から造ることが難しくなります｡その点､支柱に十分な強度のあるRC造住宅なら､非常に大きな円形の窓の造設が可能です｡

RC造の住宅で安心･快適な暮らしを叶えましょう

工期や費用といった点で問題がなければ､RC造の住宅は耐火性･耐久性･耐震性･遮音性･デザイン性に優れており､安心で快適かつモダンなデザインの高級注文住宅を望む場合は大変適していると言えます｡

建築の際に高い技術力が必要であり､デザインの自由度が高いRC造の住宅｡建築を希望する際は､豊富な建築実績と優れたデザイン力を有する設計事務所などに依頼するのがおすすめです｡一例ですが､大手住宅メーカー｢ミサワホーム｣のデザインチームから厳選された一流デザイナーが建築を手掛ける｢センチュリーデザインオフィス｣では､累計120万戸に及ぶミサワホームの建築技術のノウハウと卓越した創造力を駆使し､住まいづくりのコンサルティングから実際の建築まで一貫して担ってくれます｡

建築に関する受賞歴も多く､大型建造物のプロジェクトも手掛ける一流の設計事務所なので､細部までこだわりたい高級注文住宅を希望する方はぜひ依頼をご検討ください｡